10. (2)熟考期

 熟考期とは、行動変容について考えている状態である。このステージでは、一般に本人が感じている喫煙のデメリットが、喫煙のメリットと拮抗している。本人が気づいていない禁煙のメリットについて、専門家の立場から示したりすることが大切である。具体的には、呼吸機能検査による「肺年齢」、PWV(脈波電波速度)検査による「血管年齢」、骨密度測定による「骨年齢」、あるいは呼気中一酸化炭素濃度などの印象的なデータも利用できる。

またこのステージでは、主として「自己の再評価」の促進プロセスが用いられる。




 

【自己の再評価】 問題行動に関してその人自身が見積もる、自己の価値の再評価を行うこと。 熟考期には問題行動の認識が高まっており、自身がその行動を行っていることが自己の価値を低下させていると感じ始める。一方、禁煙という新しい行動を取ることによって、自己の価値を取り戻すことができる。ただし、要支援者の自尊心があまりに傷つくことは、自信を低下せしめ、行動変容にとってはマイナスとなることがあり得るので、「ニコチンモンスター」の例えなどを使って、悪いのはタバコ(ニコチン)であるとの見方を取るよう勧めることが有効である。具体的な働きかけの例はこちら

 


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