2)ニコチンガム

 ニコチンガムは1994年4月に医療用医薬品として承認、その後2001年6月に一般用医薬品にスイッチOTC化されたガムタイプのニコチン製剤で、ニコチンが口腔粘膜から吸収される。1個あたり2mgのニコチンを含有し、約0.8mgが吸収される。ニコチンの刺激感を和らげ、柔らかさや甘さを増したりフレーバーを加えたりした製剤も発売され、2008年10月にはさらに1種が発売された。
 ニコチンガムの上手なかみ方は、1回の使用量は必ず1個とし、ピリッとした味を感じるまでゆっくり15回程度かみ、ほほと歯ぐきの間にしばらく置いておくことを、約30〜60分間かけて断続的に繰り返すことである(図表6)。速くかむとニコチンは口腔粘膜から吸収されずに唾液と一緒に胃に入って嘔気や胸やけなどの有害事象を引き起こしやすい。




 使用量は患者に応じて判断するが、最初の1ヵ月間は1日4〜12個で24個を限度に使用する。特にニコチン依存度が高いと考えられる場合は、使用個数不足による不成功を防止するために必要個数について十分に説明する。
 有害事象としては、口腔や咽頭のひりひり感、顎関節痛などがある。有害事象が強く出現した場合や、歯や職業上の問題等でガムを使用しにくい場合は、他剤への変更を勧める。
 ニコチンガムはどうしても喫煙したくなったときに使うのが一般的だが、1〜2時間毎に1個ずつかむなど使用スケジュールを固定する方法もある。突然の喫煙欲求にも対応可能なので、禁煙が安定するまで携行しておくのもよい。
 禁忌は、ニコチンパッチの禁忌に加え、咀嚼による機械的刺激により症状を悪化させるおそれがある側頭下顎関節疾患等である。


参考資料
1) ニコチンガムを使った指導方法のコツ
2) ニコチンガムとバレニクリン製剤の違い


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