図表6には、少し古いデータであるが、禁煙領域の取り組みの評価指標の国際比較を行った結果を示した(文献3)。 喫煙者のうち、禁煙したい者の割合と準備期(今後1ヵ月以内に禁煙しようと考えている)の者の割合は、日本では英国や米国に比べて少ない。また、過去1年間に1日以上禁煙を試行した禁煙試行者の率も日本では、英国や米国に比べ低い。 さらに喫煙経験者のうち禁煙者の占める割合(quit ratio)、すなわち禁煙者/(禁煙者+喫煙者)は、日本では30%前後にとどまっているが、英国や米国ではこの割合は50%前後であり、日本では喫煙経験者のうちの禁煙者が相対的に少ないことがわかる。 なお、2020年の日本医師会喫煙意識調査によると、日本の医師におけるquit ratioは、男性で約86%、女性で約79%であり、喫煙の害をよく知る医師はたばこ離れを率先垂範している。



引用文献
3)中村正和.喫煙に関する環境評価法の検討.厚生労働科学研究費補助金循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業「健康づくりを支援する環境とその整備状況の評価手法に関する研究」(主任研究者 下光輝一)平成18年度報告書 2007; pp.29-43


前へ 1 2 3 4 5 次へ 3/6
ページトップへ戻る