3)アルコール依存症
喫煙者ではアルコール使用障害の発症リスクが非喫煙社に比し3.0倍高い。多くの研究が禁煙と断酒を一緒に行う試みを支持している。1つだけアルコール依存症への介入と同時に禁煙介入すると禁煙率は変わらないが断酒率は下がるかもしれないとする研究がある。
引用文献
 1)  Breslau, N., Novak, S. P., & Kessler, R. C. (2004). Daily smoking and the subsequent onset of psychiatric disorders. Psychological Medicine, 34, 323-333.

 4)薬物依存症
ニコチン依存症の介入(カウンセリングと薬物治療の両方)は薬物依存の治療を受けている喫煙者の治療において効果があることが示唆されている。
ニコチン依存症の介入が、薬物依存の治療を受けている患者においてタバコ以外の薬物依存からの回復を妨げるということについては殆どエビデンスがない。

 5)認知症
ニコチンに認知作用の改善作用があるという報告もあるが、喫煙により認知機能が低下することがメタ解析で明らかになっている。認知症患者は身体疾患を合併していることが多く、喫煙するとさらに合併症を起こしやすくなる。しかしながらその治療は認知症の中心症状や周辺症状のためにしばしば困難となる。また、火事の危険も大きい。したがって、認知症患者における禁煙のメリットは大きい。
薬物療法と家族のサポート、禁煙環境があれば禁煙は容易である。忘れることもうまく利用する。



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